DX推進に向けた取り組み

2024年10月15日
日本情報システム株式会社
代表取締役 肥沼 佑樹

デジタル技術が社会に与える影響

世界経済の不安定感が増す中において、少子高齢化による労働者人口の減少など、企業を取巻く環境はますます複雑さや不透明さを増しています。
このような予測困難な時代の中においては、自らデジタル技術活用による変革を実践していくことで競争力を高めていくことが求められております。

経営ビジョン(DXビジョン)

当社は1974年の創業以来、「創造と挑戦」をテーマに地域のお客様を中心に機能的なICTサービスをワンストップで提供することに力を注いで参りました。
これまで培った経験と技術、蓄積したデータや情報を有効的に活用し、企業競争力を高め、お客様の発展に寄与できる信頼性の高いDXサービスを提供して参ります。

ビジネスモデルの方向性

当社は自社DXを推進すべく、現在社内に点在しているデータを一元化し、デジタル活用による働き方改革・営業活動の高度化・新たな価値創出を目指します。
また、様々な業種のお客様に機能的なICTサービスを提供してきたノウハウをもとに業種ごとに特化したDXソリューションをサービス型で提供し、お客様の競争力を高める業務DX推進をサポートして参ります。
そのためにまずは、地域のお客様のDXを推進し取り組みの中で製品化に繋げ、その製品を国内に展開します。

当社のDX戦略

自社のDX

■自社データの集約と活用
社内に点在化している各種データをCRM/SFAシステムに一元管理し、必要な情報を迅速に活用できる社内システムを2023年4月より稼働しております。2025年度中にCRM/SFAシステムを活用し、他部門への業務依頼(機器の構築や修理)のデジタル化による業務効率向上と、商談情報の一元管理による経営数字のリアルタイムな可視化を実装しデータドリブン経営を実現して参ります。
また、2026年度にはCRM/SFAに集約したデータを活用し、AI分析に基づく営業活動の高度化を図ります。

お客様向けDX

■物流業界におけるDXの推進
人手不足やアナログ的な運用による個人負荷の増加やドライバーの長時間労働への対応は物流業界の大きな課題になっており、これらの解消が必要となっています。
当社では、人員や車両、配送コースなどの情報と経験値をデジタル化し、その情報に基づいた配車管理をオンラインで作成、電子ボードに表示させる仕組みにより、デジタルを活用した効率的な配車計画支援を実現して参ります。また、デジタコからデータから集約することで、予実管理の実現と拘束時間管理より時間外労働の上限規制に対応した支援システムを提供して参ります。

■自治体福祉分野におけるDXの推進
自治体のシステムは度重なるシステム改修により複雑化している他、原課毎にシステム構築している事から、原課を跨ぐ手続きは自治体職員に大きな負荷のかかる作業となっています。それは同時に利用する住民にとっても煩雑な手続きとなっています。
当社は、原課毎に別システムで管理されている福祉情報を統合的に活用できる支援の仕組みを構築し、自治体職員の業務効率化と、住民の利便性向上に貢献して参ります。2024年度中に、防災システムとの連携により、災害発生時にリアルタイムで要援護者をリストアップできる機能を実装し、人にやさしい地域社会の実現に向けた取り組みを目指して参ります。

DX戦略におけるデータ活用の方策

■「自社のDX」においては、以下のデータを集約し活用します。
お客様情報、納入機器情報、サービス契約情報、保守契約情報、保守対応履歴、名刺データ、営業コンタクト情報、商談情報(受注/失注情報含む)、提案資料、請求データ

これにより、以下の業務変革を実現します。

営業活動の高度化:
顧客リストアップ自動化、クロスセルのレコメンド、サービス契約の継続フォロー、保守加入促進、提案資料の自動生成

データドリブン経営:
リアルタイムな実績情報の可視化、商談情報の分析による売上・利益予測(予測については、2025年度に検証・精度向上を行い、2026年度より本格運用目標)

■「物流業界向けDX」においては、矢崎エナジーシステム(株)との協業により、同社が提供する運行管理システムと、当社のデジタル配車板システム間でのデータ連携を実現しております。
乗務員のシフト管理と運行の予実管理が可能となり、効率よい配送計画を立てることができます。
プレスリリースURL:https://tradiss-web.com/topics/detail.php?eid=00008
今後は、蓄積されたデータを分析し、効率的な配送計画の作成や、AIによる配車自動化などの機能強化に取り組んで参ります。

■「自治体福祉向けDX」においては、自社の取り組みで得たデータ統合活用の知見を活かし、窓口ごとに分散管理していた住民データを横串で統合的に活用することを可能とするデータ連携基盤を低コストで提供しています。
事例公開URL:https://www.njs-net.co.jp/cases/detail.php?eid=00008
今後は、福祉関連データの分析機能を強化することにより、災害時に特に援護が必要な住民のリストアップなどを実現して参ります。
(住民データ自体は自治体にて管理しており、当社からはアクセス不可能となっております)

DX推進体制

当社はDX戦略を実現するため、部門横断型の「DX推進委員会」を設置し、推進して参ります。
また、セキュリティ対策を経営課題として捉え、情報セキュリティ委員会及び内部監査メンバーを増員し、管理体制を強化して参ります。

  • 組織図

DX推進委員会の責任者は代表取締役が務め、システム部門の責任者を実務責任者とします。
DX推進委員会は各DXプロジェクトと定期的に戦略会議を開催し、進捗の確認及び必要な投資を迅速に意思決定して参ります。
また、各DXプロジェクトは必要に応じて特定領域において強みを有する外部企業と連携し、お客様課題の解決に取り組んで参ります。

DX人材育成

DX戦略を適材適所で推進するためのスキルアセスメントとして、全社員を対象にビジネスコンピテンシー診断を実施し、DX推進における業務アサインに活用しています。
(2025年3月までに全社員で実施予定)

また、重点戦略を実行するために必要となる、データ活用人材・AI活用人材・セキュリティ対策要員の育成を計画的に推進して参ります。(2026年までにデータ分析人材を3名に強化)

加えて、自社のDX基盤およびお客様へのサービス提供のプラットフォームとなるAWSの認定資格取得も継続して推進して参ります。(2026年度までに技術部門の30%取得)

なお、上記の資格取得希望者に対して、研修費や受講費の支援を実施しております。

DX戦略推進に向けた環境整備

攻めのIT実現のため、今後も継続的に投資予算の配分を行って参ります。

自社システム改定

2023年4月よりCRM/SFAを全社導入しており、今後は活用範囲を拡大し、データに基づいた営業活動の高度化・効率化を目指して参ります。
今後、CRM/SFAと、電子請求システムや名刺管理システムと連携させ、さらにデジタル化を推進します。
これにより、従来は社内に点在していたお客様情報(営業情報、保守サポート情報、取引情報など)を一元化し、お客様に対し、きめ細かなサポートを実現して参ります。

業種DXシステムの開発

  • 2023年4月に物流企業向け配車板システムをリリース。
    2024年8月にデジタコからデータと連携した予実管理機能をリリース。今後は拘束時間管理より時間外労働の上限規制に対応した支援システムを提供して参ります。
  • 2023年4月に自治体福祉向けCRMツールをリリース。
    各窓口に分散して存在する住民の福祉関連データを統合的に利用可能とすることで、手続きの効率化を実現しています。今後は、蓄積データを分析し、災害時の要援護者の抽出や、介護者への支援などに活用できる機能を強化して参ります。

サイバーセキュリティ対策の強化

当社は認証セキュリティ技術を強みとしており、今後はゼロトラストの考え方に基づいたセキュリティ製品を自社環境で積極的に利用するとともに、これらの知見を活用し、新たなお客様向け製品の開発・提供を拡大して参ります。

なお、当社は2024年9月にMicrosoft社のEntra-IDを一部の部門で導入しており、2025年度中に全社員に導入予定です。

DX戦略達成状況指標

当社のDX推進の取り組みの状況を測る指標については以下の通り定め、定期的に進捗確認を行っております。

社内向けDX:自社データの集約と活用

データ活用による営業活動の効率化・高度化により、営業利益率を2023年度→2026年度比104%に向上させます。

お客様向けDX:物流業界におけるDXの推進

デジタルを活用した効率的な配車計画支援と運行記録をデジタコデータから集約した予実管理と拘束時間管理機能により時間外労働の上限規制に対応した支援システムを提供して参ります。

お客様向けDX:自治体福祉分野におけるDXの推進

自治体福祉向けシステムの機能強化と導入ナレッジの共有により、自治体への導入拡大を目指します。

以上により、2026年度DX関連売上比率40%を目指します

DX推進進捗状況(2024年10月現在)

DX人材育成進捗

・スキルアセスメント:ビジネスコンピテンシー診断 全社員の81%実施済み
・AWS認定資格取得状況:18%
・生成AI活用人材育成:Copilot活用研修16名受講済み(2024年9月実施)
・データ分析人材:1名

DX戦略進捗

・社内DX:2023年4月よりCRM/SFAシステム稼働
・物流DX:2023年4月リリース済み、AIによる配車自動化機能の検証を実施中
・福祉DX:2023年4月リリース済み
・DX関連売上比率 21%(2023年度)

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