DX推進に向けた取り組み

2026年9月25日
日本情報システム株式会社
代表取締役 肥沼 佑樹

経営ビジョン・ビジネスモデルの方向性

データ活用やデジタル技術の進化による社会及び
競争環境の変化が自社にもたらす影響(リスクと機会)

少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少は、当社においても「新規採用の難化」「人材の流動化」、さらに「ベテラン社員のノウハウや技術の継承(業務の属人化)」を招いており、これらを深刻な経営「リスク」と認識しております。また、SI事業における価格競争激化も課題です。
一方で、自治体・文教・民間企業における顧客のDX需要は増大しています。当社自身がデジタル技術を活用して人的依存から脱却し生産性を飛躍的に高めることそして自社プロダクト(多要素認証製品、配車支援システム等)の価値を高めることは、大きな成長「機会」と捉えております。

経営ビジョン(DXビジョン)

当社は1974年の創業以来、「創造と挑戦」をテーマに、地域のお客様を中心に機能的なICTサービスをワンストップで提供することに力を注いで参りました。データ・デジタル技術の徹底活用により、自社の技術・ナレッジを組織力へと転換し、企業競争力を高め、お客様の発展に寄与できる信頼性の高いDXサービスを提供して参ります。

ビジネスモデルの方向性

個人のスキルや労働量に依存した従来のビジネスモデルから脱却し、社内に点在するデータの集約とAI等のデジタル技術活用により業務フローを再構築し、大幅な生産性向上を図ります。

この社内DXで培ったノウハウと、SI力を組み合わせることで、地域の自治体・文教・民間企業のお客様の課題解決を強力に支援する「高付加価値型・伴走型ソリューションビジネス」への転換を推進します。


当社のDX戦略

AIと共に仕事をする(業務DX)

開発業務やインフラサポート業務など、過去に蓄積したデータやベテラン社員のノウハウを集約し、AI・生成AI等を活用して共有・自動化します。これにより業務の属人化を低減し若手の育成早期化と高品質なサービス提供体制を確立します。

AIによる業務自動化(オペレーションDX)

社内のよくある問合せ対応やIDの発行業務など、会社運営上必要な定型業務・バックオフィス業務についてAIエージェントによる自動化を目指します。
これにより、従業員がより付加価値の高い業務に注力できる体制の構築と大幅な生産性向上を実現します。

自社プロダクトおよびSIサービスの高度化(事業DX)

1.多要素認証製品
ゼロトラスト環境への対応のために周辺サービスを拡充し、お客様の安全なデータ活用環境を提供します。
2.配車支援システム
走行・配送データの蓄積・解析基盤を強化し、データ駆動型の業務最適化ソリューションへ進化させます。


DX推進体制と人材の育成

DX推進体制

DX組織図

当社は、経営主導のもと全社一丸となったDX推進および適正なガバナンスを確立するため、取締役会直下に「DX推進委員会」および「情報セキュリティ委員会」を設置しております。
DX推進委員会の責任者は代表取締役が務め、システム部門の責任者を実務責任者とします。
DX推進委員会は各DXプロジェクトと定期的に戦略会議を開催し、進捗の確認及び必要な投資を迅速に意思決定して参ります。
DX推進委員会のもと、民需・公共・文教の各事業部門および社内業務部門と連携し、全社横断的に変革を推進します。
また、必要に応じて特定領域に強みを持つ外部企業とのパートナーシップ(協業)を行います。
情報セキュリティ委員会はDX推進委員会と並列して設置し、DX推進の前提となるサイバーセキュリティリスク管理および情報セキュリティガバナンスの強化を担います。

DX人材の育成

当社は、DX戦略を全社かつ適材適所で実行するため、データ活用人材・AI活用人材・セキュリティ要員の計画的な育成・確保に取り組んでいます。

1.具体的な育成施策と到達目標

AIリテラシーの底上げ:現場部門を中心に全社的なAI活用マインドを醸成するため、計画的な資格取得を推進しております。2026年10月までに15名が「AIパスポート」資格を取得済みであり、取り組みをさらに加速させ2028年までに累計30名の取得を目指します。

高度IT・クラウド人材の育成: 自社DX基盤および顧客向けサービスのプラットフォームとなる「AWS(Amazon Web Services)」「Microsoft」の認定資格取得を継続推進し、2028年度までに技術部門の30%が取得することを目指します。

2.人材育成を支える社内制度・支援策

従業員の主体的なリスキリングおよび資格取得を促進するため、各部門に能力開発予算を配分し、業務上必要な研修の受講や資格取得を組織的に支援しています。
さらに2026年より「資格手当制度」を新たに整備し、取得者に対するインセンティブを強化することで、全社的なスキルアップとDX人材の定着を図っています。


DX戦略推進に向けた環境整備

攻めのIT投資計画とプロジェクト・マネジメント体制

当社はDX戦略の実行に向け、経営主導のもとで「攻めのIT」実現に向けた継続的な投資予算配分を行っております。社内システム整備およびプロダクト開発の各プロジェクトにおいては、投資対効果とセキュリティの両立を目指し、計画的に運用・管理を進めています。


ITシステム環境の整備に向けた具体的方策

1.業務DX(開発・サポート環境の高度化)

2026年3月より開発業務において「AI駆動開発」を本格導入しております。今後は、自社のセキュリティポリシーの反映や開発手順の標準化を組み込んだ「AI駆動開発プラットフォーム」の機能拡充を推進し、高品質かつ迅速なシステム開発環境を整備します。
サポート業務においては、実績データを蓄積・活用した「AIサポート業務支援システム」を実装し、若手メンバーでも迅速かつ的確に対応できるサポート体制を構築していく予定です。

2.オペレーションDX(データ基盤の集約と自動化)

2023年4月以降、CRM/SFA、電子請求システム、名刺管理システム等を順次導入し、社内データの集約を推進してまいりました。また、2025年4月からはRPAを導入し、業務プロセスの自動化を促進しています。
今後は、集約された各種データを横断活用する「AIエージェントプラットフォーム」を構築し、AIとRPAを組み合わせた定型業務の自動化・標準化を進めます。これにより、従業員がより付加価値の高い業務に注力できる環境を整備し、全社的な生産性向上を図ります。

サイバーセキュリティ対策の推進(DX戦略の前提としての方針)

当社は、データ活用とAI基盤の高度化を進めるにあたり、サイバーセキュリティの確保をDX戦略実行の“前提条件”と位置づけ、経営者の責任のもとで情報セキュリティガバナンスを戦略的に整備する方針です。

1.アイデンティティ軸の防御とログ相関分析の徹底

MFAを中心としたID/アクセス統制に加え、EDRやゲートウェイにおけるログの相関分析を実施し、未知の脅威を早期に検知・対処する運用体制を確立します。

2.継続的リスク評価の導入

サプライチェーン・サイバーセキュリティ(SCS)評価制度の導入推進により、セキュリティ水準を可視化し、継続的なリスク評価と基準向上を図ります。

3.攻めのDX投資と連動したセキュリティガバナンス

セキュリティ投資を攻めのIT投資計画と一体化させ、ビジネスの迅速性と堅牢性を両立させながら 計画的に投資を実行します。


DX戦略の達成度を測る指標(KPI)

当社は、DX戦略(業務DX・オペレーションDX・事業DX)及び人材育成のそれぞれに対応する指標を設定し、進捗を評価します。

  • 収益性・生産性(業務DX・オペレーションDX)
    2030年度の営業利益率を2025年度比120%に向上。
  • 事業成長・価値創出(事業DX)
    2030年度のDX関連売上比率30%を達成。
  • 人材育成
    AIパスポート取得者を2028年度までに30名
    技術部門のAWS、Microsoft資格取得者を2028年度までに30%

これら各KPIに基づき、進捗状況の自己評価を定期的に実施し、必要に応じてDX戦略・IT投資計画の見直しを行います。

経営者のリーダーシップと自己評価・ガバナンス体制

経営、事業部門およびIT・開発部門が密に連携し、最新のデジタル技術動向や自社ITシステムの現状・課題を定期的に把握・分析しております。

設定した各KPIに基づき、進捗状況についての「自己評価」を定期的に実施いたします。
新たな課題が生じた場合には、DX戦略やIT投資計画の適時適切な見直しを行い、戦略の実行と企業価値向上を推進してまいります。


DX推進進捗状況(2026年10月現在)


  • 収益性・生産性(業務DX・オペレーションDX)
    2026年3月 開発部門全体でAI駆動開発の開始
  • 事業成長・価値創出(事業DX)進捗
    DX関連売上比率 14%(2025年度)
  • DX人材育成進捗
    AIパスポート取得者 15名
    資格取得状況(AWS、Microsoft)13%

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